このピノ・ノワールも本当に美味しいです・・・「幻」の私市さんが来日しました・・・幻(マボロシ)

いつもお世話になります。例によって入荷の限られたワインですので、またまた早い者勝ち販売になってしまい申し訳ありません。(2018年4月3日配信

先月初めにはアキコさん(フリーマン)、ノリさん(ノリア)とお会いしましたが・・・

先週私市友宏さん(マボロシ)が来日しました・・・

《 MABOROSHI WINERY 幻(マボロシ) 》

私が「幻(マボロシ)」と出会ったのは、2002年のカリフォルニア・ナパ・ヴァレー訪問の時でした。カリストガの有名レストラン「オールシーズン・カフェ」でのディナーでマボロシのワインを紹介されました。紹介されたその1999年がファースト・ヴィンテージで、僅か137ケースのワインとのこと。「なにこのラベル?鷲と羊?」一口飲んでみると凄い濃縮感。「えー!日本人が造ってるんですかー!」ビックリしました。

大阪府交野市の酒販店に生まれた私市(きさいち)友宏氏は、大学卒業後家業の酒屋を継ぎました。仕事上いろいろなワインに出会いましたが、ブルゴーニュの至宝ラ・ターシュに魅了され、自分の手でワインを造り出したいと思いました。私市さんはフランス語も話せず、コネもないのにいきなりフランスへ出発。しかも、妻のレベッカさんと当時まだ3歳の娘の詠美ちゃんもなんと一緒に。レベッカさんはアメリカ・バージニア州出身。三島由紀夫や川端康成に惹かれ、日本文学を学ぶために留学生として来日しました。私市さんと出会い、1984年に結婚しました。

1991年渡仏。私市さんは強運?な方です。まだまだ他国の人間を安易に受け入れることをしないフランスのワイン業界でしたが、5軒目に訪れたジュヴレイ・シャンベルタン村のドメーヌ・アルマン・ルソーが3人を受け入れてくれました(アルマン・ルソーのオーナーが日本贔屓だったので、と私市さんは語りましたが・・・)。しかしブルゴーニュでは過酷で単純な肉体労働の連続。1年間我慢しましたが、「フランスではすでにワイン造りが完成され、形が決まってしまっている」と感じた私市さんは帰国しました。

フランスでの経験から、私市さんは自分の理想を今度はカリフォルニアに求め、またもやコネもないのに(また3人で)アメリカへ出発。1992年渡米。ソノマ大学へ通いながら醸造を勉強しました。夢であるワイン造りは、ハーベストワーカーから始まり、ストーンストリート・ワイナリーのセラーワーカー、そしてミシェル・シュランバーグ・ワイナリーのエノロジスト、と続きました。

ピノ・ノワールに魅了された私市さんですが、当時のカリフォルニアではピノ・ノワールの出来が安定していなかったようです。ですが私市さんはまたもや強運?でした。レベッカさんがパルメイヤーのハーベストに参加した時にあのカリスマ・ワインメーカーのヘレン・ターリーと知り合いになり、パルメイヤーが葡萄を買い付けていたヨーク・クリーク・ヴィンヤード(スプリング・マウンテン)のメルローを購入することができました。そしてついに1つの夢が実現しました。1999年「幻」のメルローが誕生しました。

「フランスに行くことを決心した時、知人に『夢か幻みたいな話』と言われました。それがずっと心の片隅に残っていて、今回のワインは『幻』だったかもしれないので、『幻ワイン』と名付けました。」そして驚くべきはワインのラベル!「」と「」がいるのです!(ムートン・ロッチルドとスクリーミング・イーグルへの挑戦でしょうか・・・)私市さんはこう語りました。「元々絵を描くのが趣味で、シャガールとボルドーのシャトー・ムートン・ロッチルドを意識して、アメリカの国鳥の鷲とムートンの羊を描いてみました。」

私市さんのさらなる夢は「自分の畑を持つこと」でした。2004年4月ソノマのセバストポールに念願のピノ・ノワールの畑を12エーカー購入することができました。ラ・ターシュに魅了され、ワイン造りの道をまっすぐに突っ走った私市さん。遂に私市さんのピノ・ノワールが誕生しました。2004年「幻」のピノ・ノワールは365ケースです。「私たちの幻ピノ・ノワール2004年には深い感慨がある。というのも日本を離れて13年目にして、やっと手に入れたヴィンヤードからの初ヴィンテージだからだ。ワイン造りはよく子育てに例えられるが、まさにその通りで、葡萄の木の剪定に始まり、発芽、開花から葡萄が成熟し、収穫され、そのジュースが発酵を促され、ついにはワインとして熟成する。それを間近で見ていると、“親”として一喜一憂するものがある。そういった背景を心の片隅において、この幻ピノ・ノワールを味わっていただければ、私達醸造家はどんなに励みになるだろう。」

 Maboroshi Chardonnay Los Carneros
★マボロシ シャルドネ ロス・カーネロス 2015 ¥8,640 

2007年に誕生したマボロシのシャルドネです。実は現地の方の依頼で私市さんは何度かシャルドネの仕込みを経験していました。ただし、マボロシとしては2007年が最初のリリースです。

葡萄はロス・カーネロスのカティング・ワーフ・ヴィンヤードから。サンフランシスコとオークランドに挟まれたサンパブロ・ベイに位置する、カティング・ワーフという波止場の名前を付けた畑の葡萄を使用。1978年からヤコブ・ファミリーが所有する17エーカーの畑で、ここのシャルドネはナパの有名ワイナリーに供給されていました。

「2015年も前のヴィンテージ同様17エーカーの畑の中でも5つの最も良い果実の畝をセレクト。この冷涼な地区ではゆっくりと長い時間をかけて生育することが出来た。そのため果実はしっかりと完熟した。2015年は乾いた天候が続き収量が少なくなったが、凝縮した果実味と酸がある葡萄が収穫できた。手摘みで丁寧に収穫された香り高い葡萄は早朝にワイナリーに届いた。できるだけやさしく、エグ味を出さないために房ごと葡萄をプレスする。ステンレス鋼のタンクで休ませた後、フレンチオーク樽に移されたジュースは野生酵母にて発酵が始まる。発酵が終わった後も手作業でかき回し、クリーミーで凝縮した果実味を出すように心掛けた。カーネロスの冷涼な気候で育ったこのシャルドネは、100%マロラクティック発酵で、香り高い果実の持ち味を保ちつつ、綺麗な酸があるシャルドネとなった。洋ナシやアプリコットのアロマと共に、口の中にパイナップルやグレープフルーツ、ネクタリンの香りと味わいが広がる。かすかにキャラメルの香りも重なるように感じられるだろう。果実本来の味わいが楽しめるスタイルで、冷たく冷涼感溢れるミネラル、そしてフレンチオークを使って熟成させたことによるリッチさもあり、全てがうまく調和した素晴らしいシャルドネとなった。(私市友宏)」

柑橘系果実の上品なアロマ。余計な甘味やボリュームを抑えたトロピカルフルーツの綺麗な果実味。ミネラル感もあり、心地良い酸味が口中を引き締めてくれます。トータルバランスに優れたシャルドネです。

100%シャルドネ 収穫Brix 24,3度
フレンチオーク(20%新樽)にて7ヶ月熟成
ALC14,4%
生産量81ケース
輸入元定価¥9,720(税抜¥9,000)

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 Maboroshi Maboroshi Vineyard Pinot Noir Russian River Valley
★マボロシ マボロシ・ヴィンヤード ピノ・ノワール ルシアン・リヴァー・ヴァレー 2012 ¥9,720

自社畑マボロシ・ヴィンヤードからのマボロシ・ピノ・ノワールです。2012年マボロシ・ピノ・ノワールは、初リリース2004年から7度目のヴィンテージです(10年、11年は生産なし)。ちなみに自社畑マボロシ・ヴィンヤードは2012年バイオダイナミック(ビオデナミ)の認証を取得しました。

「2012年は素晴らしく実りが多いヴィンテージとなりました。長い育成期間を取ることが出来たので、葡萄は良いストラクチャーがあり、全体的にバランスのとれた質が高く、理想的で最高の完熟を迎えました。濃いルビー色の葡萄の粒は10月中旬丁寧に手作業で収穫されました。自然酵母を用いマロラクティック発酵。新樽25%、残りは2年目のフレンチオーク樽を使い9ヶ月樽熟成しました。ディジョンクローン115と667をブレンドした(半分づつ使用)このピノ・ノワールは明るいレッド・ラズベリーやボイズンベリーの豊富な香りがあります。香しいシイタケやバラ、ラベンダーの香りもかすかに重なり合い、鼻から喉に抜けるように香ります。口に含むと土壌を感じる土っぽさと共にエキゾチックなスパイスの香りやほのかなトースト香などが重なるように感じられます。贅沢なラズベリーやブラックベリーの味わいが口いっぱいに広がります。ビオデナミ農法を取り入れた畑の葡萄ならではの繊細な中にしっかりとした力強い味わいのあるピノ・ノワールです。15年から20年の長期熟成も楽しみなピノ・ノワールです。(私市友宏)」

とにかく香りが素敵です。ラズベリー、ブラックベリーの華やかなアロマ。繊細なアタック後に複雑味のある味わいが広がります。ブルゴーニュの上物を彷彿させるストラクチャーのあるピノ・ノワールです。まだしっかりしたタンニンがありますので、抜栓翌日が美味しいと思います(笑)。

100%ピノ・ノワール 収穫Brix 25,5度
フレンチオーク(25%新樽)にて9ヶ月熟成
ALC14,5%
生産量180ケース
輸入元定価¥10,800(税抜¥10,000)

ブログ【「幻」の私市さんが来日しました!(マボロシ)】(3月28日)

【あの「幻」から待望の新アイテムが誕生しました!】(2015年10月13日配信)

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こちらもどうぞ・・・

3月初めに WINE INSTITUTE 主催のCALIFORNIA WINE TASTINGが開催されました。国内最大級規模のカリフォルニアワインの試飲会です。生産者の方々も来日しました。

この試飲会に常連のお2人の方が参加しました。アキコ・フリーマンさん(フリーマン)と中村倫久さん(ノリア)です。またまた営業用?のお写真をお願いしました(笑)。

私市友宏さん(マボロシ)も常連組のお1人ですが、今回はこの会には参加せず、今回の来日となりました。

【アキコさん(フリーマン)、ノリさん(ノリア)と再々会です・・・】(3月13日配信)

ブログ【CALIFORNIA WINE TASTING 2018 春】(3月7日)

アキコさんの「フリーマン」です・・・

 Freeman Akiko’s Cuvee Pinot Noir Sonoma Coast
★フリーマン アキコズ・キュヴェ ピノ・ノワール ソノマ・コースト 2014 ¥11,772 数量限定品

 Freeman Pinot Noir Russian River Valley
★フリーマン ピノ・ノワール ルシアン・リヴァー・ヴァレー 2015 ¥7,776 数量限定品
 Freeman Pinot Noir Russian River Valley

★フリーマン ピノ・ノワール ルシアン・リヴァー・ヴァレー 2014 ¥7,776 売り切れ

カリフォルニア唯一の日本人女性ワインメーカーであるアキコ・フリーマンさんが造る「フリーマン」です。

フリーマンはルシアン・リヴァー・ヴァレーに2つの自社畑を所有します。フリーマンのトップ・キュヴェである2014年アキコズ・キュヴェ・ピノ・ノワールは初めてフリーマンが所有する2つの自社畑、グロリア Gloria Estate とユウキ Yu-ki Estate の葡萄が主体となりました

ルシアン・リヴァー・ヴァレー・ピノ・ノワールは2015年が入荷しました。ですが、2015年は春の天候不良により非常に収量が少なく(通常の1/3ほど)、日本入荷も極僅かとなりました。Keefer Ranch、Pratt、Connellの葡萄をブレンド。5日間の低温浸漬。フリーランとプレスを分けて発酵。フレンチオーク(29%新樽)にて11ヶ月熟成。生産量308ケースです。

【ご存じカリフォルニア唯一の日本人ワインメーカーのアキコさんが造る「フリーマン」から新アイテムが入荷しました・・・】(2017年11月18日公開)

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そして中村さんの「ノリア」です・・・

 Noria Sangiacomo Vineyard Chardonnay Sonoma Coast
★ノリア サンジャコモ・ヴィンヤード シャルドネ ソノマ・コースト 2015 ¥5,616
 Noria Sangiacomo Vineyard Pinot Noir Sonoma Coast
★ノリア サンジャコモ・ヴィンヤード ピノ・ノワール ソノマ・コースト 2015 ¥5,832

2010年が初ヴィンテージ。中村倫久さん(ナカムラ・セラーズ)が造る「ノリア」です。

ワイン名のノリアはスペイン語で“水車”の意味。日本食に合うワインを目標としています(特にシャルドネは純米大吟醸がモデルです)。ゆえに繊細な味わいを表現するために冷涼地ソノマ・コーストの葡萄を中心に使用しています。上品で綺麗な果実味のシャルドネ、そして赤系の果実味のエレガントな味わいのピノ・ノワールです。

週末の有料試飲【ノリア サンジャコモ シャルドネ ソノマ・コースト 2015】(3月23日、24日)

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金額は税込価格(含消費税8%)です。クール代は送料とは別途ご請求になります。

この内容は、アドレスを頂戴した方にHP公開前にメールでお送りしています。ゆえにHP公開時にはすでに売切れのワインもございます。【チアーズ!カリフォルニアワイン】は、美味しいカリフォルニアワインをお送りしています。