番外編!入荷します!あのボワ・ルカのプリムールが姿を変えて・・・

いつもお世話になります。例によって入荷の限られたワインですので、またまた早い者勝ち販売になってしまい申し訳ありません(2012年11月6日配信)。

またまた番外編です(笑)・・・

朗報です(喜)・・・ですが・・・ちょっと問題ありですので必ずご講読ください・・・

《 DOMAINE DES BOIS LUCAS ボワ・ルカ 》

覚えていらっしゃいますでしょうか・・・

一昨年の初リリースに続き、昨年もボワ・ルカプリムール(白)が入荷予定でしたが・・・発酵が終わらず不安定な状態ということで、出荷直前に中止になりました・・・

【番外編! 2011年ボジョレー情報!ボワ・ルカ出荷中止になりました・・・】(2011年11月6日配信)

ボワ・ルカ プリムール
ソーヴィニヨン・ブラン 2010

そのプリムールが姿を変えて日本入荷します!

Domaine des Bois Lucas Touraine Blanc Cuvee P 2011
★ボワ・ルカ トゥーレーヌ ブラン キュヴェ P 2011 ¥2,520

入荷はボジョレー・ヌーボー解禁の週末を予定しています・・・

相変わらず順子ちゃんのお話は長いのですが(笑えない)・・・

最後にとても重要なことがありますので、途中飛ばしても最後だけはお読みください。

「去年リリースされるはずのワイン。1年もの長い間お待たせしました。本当にご迷惑をおかけしてすいません。去年のリリースは Vin de France プリムールとしての販売予定でしたが、1年も待つとちゃっかりと AOC を取得してのご紹介になりま~す!

2011年フランスは前半が暑い年でしたので、収穫が実際は8月下旬から始まりました。ロワールはまずは白の品種から始まります。通常それと並行してガメイも始めますが、ボワ・ルカは2011年ソーヴィニヨン・ブランのキュヴェPの収穫です。が、その前に9月7日にボジョレー・ヌーボーの収穫、それからやっとうちの畑の収穫が9月10日から開始が出来ました。周りはもう葡萄が残っておりません(涙)。だって8月から開始しているのですから・・・

ご存じこのワインは当初プリムールとして醸造しました。畑は熟れた所から開始です。最初の一番絞りを絞ったらなんとアルコール度数が14,5度。『これは大変だ!!!』これだと完全に発酵は終わらないのでプリムールには出来ません。通常のAOCトゥーレーヌ・ブランになります。そこで方法を変えました。2回目の仕込みからは熟れていない畑の収穫です。本当なら熟れている葡萄を続けたいのですが、それをしていたらプリムールは出来ません。何故なら保険をかけるためです。そこで急遽畑の下の部分の収穫に切り替え、2度目の絞りを・・・13,0度ホッとしました。

1947年に植樹された64歳の樹齢の古い木だけです。ワイン醸造の常識では、こういう葡萄は通常ヌーボーにはしません。そして3回目の絞りは13,5度。相変わらず通常はプリムールに使用しない値です。4回目の収穫の絞りが終わり、それは最終500Lの大きな樽、大御所トヌリエ・ブランシャール氏の樽で発酵させました。第1~3回目のワインはメインになるので、15HLの小さめの木の解放桶で発酵し、最後にこのワインとブレンドするためです。今年の量をこなし、かつ期日までに発酵を終え、去年の味わいを保つためにはなにか新しいことをしないといけません。この方法しかありませんでした。残りの葡萄は Pierre Beauger 並みになり、通常仕込みの最後の収穫は10月6日になりました。

2010年との大きな違いは、まず第1に収穫が遅れたので糖度が高く、そのため潜在アルコール度数が14,5度くらいあったのです。去年は14度でした。そして第2は比重値は去年は995で、今年は997までしか下がりませんでした。それで瓶詰めを決行したことです。11月2日に瓶詰めが終わり、11月3日にラベル貼りをして、11月4日にトラックがやってきて飛行機に運ぶ段取りをしておりました。11月2日に無事予定通りワインの瓶詰めが終わりました。その後、吹いてしまったという事件になり、出荷を急遽中止しました。

それに関しては皆様にご報告した通りです。その後、どうなっていたか・・・そのまま寝かせておきました。その寝かせ方は2通り。1)ラベル貼りを終え、箱に入れたワインはそのまま横に寝かせる。2)まだラベルを貼っていないで縦にしてあったボトルはそのまま立てたまま寝かせる。何故そうしたかというと、本当に何が原因で吹いてしまったか?ということが判明できていなかったからです。このワイン達を1日も早く出荷したくて、12月に状態を見てみました。そしたら立ててあったワインは1本も吹かず、寝かせていたワインだけが吹いている・・・というより漏れていたのです。『これはコルクがあきらかにおかしい・・・?!?!?!』

そこで横にしていたワインの中で漏れたワインを全部コルクを打ち直し、その他立てているワインのうち1パレットだけコルクを打ち返しました。そのコルクは DIAM というボワ・ルカが2008年から全てこのメーカーに切り替えた、今フランスでは人気上昇中のコルクで、丈夫だからです。なので4通りのワインが出来ました。

1)ラベル貼りを終え、箱に入れたワインで、そのまま横に寝かせる
1-1)コルクを打ち返したもの
1-2)コルクを前の紫のカラーのもの

2)まだラベルを貼っていないで縦にしてあったボトルでそのまま立てたまま寝かせる
2-1)コルクを打ち返したもの
2-2)コルクを前の紫のカラーのもの

そしてお正月明けにもう一度状態をチェックしました。そしたら予想どうりでした。漏れたのは1-2)の紫のコルクで横にしたワイン。あとは1本も吹いておりませんでした。ですから結果として最初っから2010年と同じ DIAM のコルクを使用していれば問題なく去年出荷が出来ました。それを2011年は可愛らしいデザインを重視した紫色のカラーの合成コルクを使用したのが裏目に出たのです。

『それも私の判断ミスです』

後悔しても先に進みません。これを経験にしたいと思います。が、心の中は涙涙涙・・・です。

1日も早く全部のコルクを打ち直さなくてはなりません。が、言い訳になりますが、今ボワ・ルカにはフランス人スタッフはいないので全て私が切り盛りしております。それが発覚した以降、剪定で追われ、春になったら畑お越しに追われ・・・いつまで経ってもこの作業に取り掛かれません。キャップシールを取り、瓶を綺麗に拭いてコルクを打ち直す。それも1,000本単位の作業は本当に大変時間を要するものです。それよりも生きている葡萄達の面倒がどうしても優先されてしまいました。今年、やっと秋に日本人スタッフが収穫で集まり、弊社スタッフも渡仏し、コルクの打ち直しです。この作業には大人4人で3日かかりました。やっとそれが皆様にご紹介出来ます。

本当に本当に長い間お待たせしました。去年たくさんのご予約を頂戴し、こんなにも長い間お待ち頂き、ワインを作っている人間としては頭の下がる思いです。待った分美味しくなりました。この味わいは樽や大きなタンクで熟成したワインと全く違います。ワインの味は当初の予定と違って、全く違った熟成感でなかなか美味しいですよ。瓶の中でゆっくりゆっくり熟成が進み、若干泡が残りましたが、樽で熟成させるのと瓶で熟成させるのと、こんなにも味わいが変わるのだと理論ではわかっておりましたが、改めて認識をします。同じ熟成でも瓶の中で1年も熟成するとこうなるのだ!と改めてワインの世界は広いなって感じます。後にも先にももう2度と作りません。いや作れません。最初で最後のワインです。

最初の1杯が泡があって心地良く、いかにもプリムールというフレッシュ感が残り、2杯目から澱が混ざり、味わいにぐっとコクが加わります。そして3杯目が濃厚な味になり、いつものボワ・ルカの白ワインをクリーミーにし、若くてそして熟成感のある2つの面白い側面が重なり、不思議な、心地良いアンバランスでユニークな風味なのです。私も初めての味わいです。最初で最後の醸造です。もう絶対にこういうスタイルは作れませんし、作りません(笑)。このワインの名前は Touraine Blanc 2011 Cuvee P 、それは1つはプリムールになる予定の意味と、2つはペティアンのようなガス感が残っているからこの名前にしました。

ただ大問題が・・・

長~く、説明しましたので、ご理解頂けますと思いますが、結果1年もの間、4種類の違う状態で寝かせました。なので味わいの瓶差があるのです。具体的に言うと、フレッシュ感のあるものと濃厚な味わいが複雑な状況下で熟成し、一部のボトルにグリセロールが多く発生したボトルが出てしまいました。それは取り除くことが出来ませんでした。なのでそのボトルに当たってしまうと、私の説明文と違った味わいのワインになります。グリセロールはとろっとした成分で、すぐにわかります。アルコールの一種で、脂肪酸と結合し、その成分が多いとワイン用語のディスクのしっかりした重たいワイン、と高級ワインによく使われる表現になります。体にはもちろん害はありません。が、好き好きがあります。無色透明の糖蜜状液体でエタノールに可溶、一般的にはワインの粘土になり、味わいも構成するのです。その原因は定かでありませんが、発酵途中における温度変化が原因とされております。うちのワイン、特にソーヴィニヨン・ブランはアルコール度も高く、エキスも濃いのでグリセロールが出やすく、自分でも自分の作ったワインで何本か当たりました。ただこの Cuvee P はその確率がおそらく3%はあると思われます。なので、そのワインに当たってしまう可能性が高く、それをはじくことが出来ず、その可能性の中で購入して頂かざる得ません。申し訳なく思います。

もしそのワインに当たったお客様からご連絡があった場合、弊社からそのお客様にプレゼントワインを無料で差し上げます。ただでさえ、本数がないので、こういう対応をご了承して頂いてのご購入になります。なので、返品は受け付けることが出来なく、その危険性も含めてのご購入という異例の形を取らせていただくことになります。その苦しい状況をご理解いただけましたらと思います。

もう1つは澱がとても多いのです。なのでこのナチュラルワインの中でもウルトラ原点的な作り方をした、Cuvee P をお求めのお客様には必ずそれをご説明くださいませ。そして少しでもそういうワインに懸念感のある方には、残念ですがワインを飲まないほうが良いかもしれないと思うほどの澱なのです。それもご理解くださいませ。そして Cuvee P の最初のコンセプトの関係で、ボトル詰めは通常より低い液面です。コルクからかなり下にワインがあります。ちょっと損した気分になるかもしれません。それは醸造上どうしても仕方のなかったことでございまして、それもお客様にご説明くださいませ。

ただ当たったワインは美味しいです。こんなスタイルになるとは思いませんでした。さっきも書きましたが、3度楽しめます。1杯目、2杯目、3杯目と味が変わります。まだまだ瓶の中でワインは生きていることを証明するワインです。私はグリセロールの多いワインでも美味しいと個人的には感じますが・・・もともとのジュースが美味しいのです。これらの注意点をどうぞご理解いただけますよう、お客様にはくれぐれもご説明をよろしくお願い致します。もうこういう問題の多いワインは2度と作りません。なので本当に最初で最後です(新井順子)」

最後の赤字の部分、お読みいただけましたでしょうか・・・

ご理解の上でのご購入となります。よろしくお願い致します。

今回のワイン造りは本当に大変だったようですね・・・実は、順子ちゃんは今年ソーヴィニヨン・ブランの畑を手放しました(売却しました)・・・

ですから、ボワ・ルカの白はこれが本当に最後となります(涙)。

ボワ・ルカ キュヴェ P
ソーヴィニヨン・ブラン 2011

順子ちゃんとコサール氏のボジョレー・ヌーボー、まだまだご予約受け付けております!

Fredric Cossard Beaujolais Villarge Primeur Les Lapin
★フレデリック・コサール ボジョレー・ヴィラージュ・プリムール “ラパン”
2012 ¥3,150

Le Pont du Diable Beaujolais Villarge Primeur Vinifie par Junko ARAI
★ル・ポント・ドゥ・ディアーブル ボジョレー・ヴィラージュ・プリムール 2012 ¥3,150

【番外編!ちょこっと2012年ボジョレー情報!その3】(10月11日配信)

ラパン

ディアーブル

金額は全て税込価格です。クール代は送料とは別途ご請求になります。

この内容は、アドレスを頂戴した方にHP公開前にメールでお送りしています。ゆえにHP公開時にはすでに売切れのワインもございます。【チアーズ!カリフォルニアワイン】は、美味しいカリフォルニアワインをお送りしています。