番外編!2021年ボジョレー・ヌーボー情報 その2

いつもお世話になります。例によって入荷の限られたワインですので、またまた早い者勝ち販売になってしまい申し訳ありません。(2021年10月7日配信

番外編!ボジョレー・ヌーボー情報(その2)です・・・

新井順子女史からレポートが到着しました・・・

ボジョレー4

 Le Pont du Diable Beaujolais Villages Nouveau Vinifie au Domaine Joubert par Junko
ル・ポント・ドゥ・ディアーブル ボジョレー・ヴィラージュ ヌーボー 2021 ¥3,300 予定価格

13回目になります!新井順子女史が造るボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボーです!

ワイン学校の同級生の新井順子女史。縁あって2002年からフランス・ロワールでワインを造り始めました。今や日本のワイン業界で彼女の名前を知らない人はいないほど。さらに日本人よりフランス人のほうが彼女のことを良く知っている(凄)。そして2009年に初めて1人でヌーボーに挑戦しました。

ル・ポント・ドゥ・ディアーブル(小悪魔の橋)は、AOCはボジョレー・ヴィラージュですが、すぐ隣がボジョレー・クリュの1つ、ブルイィ(Brouilly)です。畑の所有者はジョヴェール家。4代目マルセル氏の娘カリーヌが管理しています。樹齢60年以上の単一畑で、もちろん無農薬畑(ビオロジックで認証はなし)です。カルボニックで発酵後木桶で熟成。SO2無添加。

ボジョレー3

新井さんからレポートが届いております・・・

「今年はフランス全体が天候に恵まれてなく、農業にとっては大変な年となりました。ここボジョレーも同じで、春先の霜、夏の雹等々、収量は例年より少なめです。そして夏に雨が多く、気温も上がらないので、葡萄の糖度がなかなか例年のように上がりません。早いと8月下旬、例年なら9月上旬に収穫なのですが、今年は9月中旬でも収穫日が決定できない状況でした。何故ならその9月に雨が降り、糖度が例年まで上がるのを待つと、葡萄の腐敗が始まってしまうからです。なので醸造家はその糖度が上がるのと、腐敗率と、収穫者の確保の中での戦いだったのです。

去年は8月29日の収穫でしたが、今年は9月20日と3週間も遅くなりました。私は9月18日は南仏でワインの醸造中でした。21日からボジョレーでの収穫が始まると聞いていたのですが、カリーヌから19日に連絡が来て「順子明日来れる?」と今までにない突然連絡です。「わかった。こっちの仕事を切り上げて明日そっちに行きます。」本当は一度ロワールの自分の家に帰り、身支度をしたかったのですが、そんな暇はありません。19日日曜日の夜に到着し、20日の朝にボジョレー・ヌーボーのガメイの収穫です。毎年収穫させてもらっているル・ポント・デゥ・ディアーブルの畑は例年と様子が違います。6月に下見に来た時は沢山葡萄が実っていました。しかし、悪天候のお陰で葡萄の収量は落ち、またかなり腐敗しているので、収穫中にそれを取り除く作業が大変です。時間は掛かるし、収穫の量は少ないし、雨が降ってくるし・・・

13年ここで収穫しておりますが、ボジョレーでもこんな日があるのだと改めて実感しました。ロワールは収穫が遅いし、雨がボジョレーに比べて多いので慣れてはおりますが、まさかいつも天気に恵まれていたボジョレーがこんな収穫になるのだとは発見です。しかし、今年はどの地域も大変なのです。なのでル・ポント・デゥ・ディアーブルだけでは足りないので、ジョヴェールさんの家の前にある畑のヴィラージュのガメイも収穫し仕込みました。醸造方法は毎年同じで、100%カルボニックです。今年の葡萄が心配なので、いつもより丁寧に仕込みました。私は木のタンクの中におりて、収穫ケースを抱え、ゆっくり手で葡萄を並べました。そしてガスを注入するのもその都度都度丁寧に行いました。比重は1082、アルコール度数は11,46度の予定です。葡萄はここまで待っても12度にはならないのです。しかしこれ以上待つとどんどん腐敗してしまうので、収穫せざるを得ませんでした。

ブドウ1 ブドウ2

9月23日の午前中から午後3時は白(シャルドネ)の収穫です。最初に残念なお知らせをしなくてはなりません。葡萄を購入させていただいているカリーヌのお父様マルセルの同じ村の幼馴染ジャン・ピエールさんが7月にお亡くなりになりました。彼の70歳のお誕生日の2日前の日です。病気でも交通事故でもなく、レストランで食事中にお肉を喉に詰まらせて、病院に運ばれましたが間に合いませんでした。凄くショックです。6月に訪問したときは元気でいらっしゃったのに信じられません。ただでさえナチュラルワインの世界で悲しいニュースが多い中、またまた私はショックです。息子さんがこの畑(シャルドネ)を相続しましたが、彼はボジョレーでなく南仏でレストランを経営しているので、この畑をどうするかは未定です。だから今年が最後になるかもしれません。ジャン・ピエールの事を思いながら収穫しました。ガメイはあまり良い状態ではありませんでしたが、ジャン・ピエールの畑は彼が天国から守ってくれているのでしょうか?例年より状態が良く、収量も問題なくたくさん取れました。いつも白葡萄が足りないのが心配の種でしたが、お陰様で今年は余裕があるので、マグナムも瓶詰めしようと思いました。白はいつも3つの畑を収穫しますが、カリーヌの自社畑 Beaugeu も8年目に入り、去年は収量が少なかったけど、今年はそれなりに取れました。また質も良いです。しかし、本当は坂の畑で、糖度がまだ乗り切れてなく、後1週間待ちたかったのですが、収穫者が最後の日なので、収穫を決行。もう少し待てば完璧でしたが、なかなかスケジューリングが自分のワイナリーではないので、難しいですね。3つ目のシモンの畑は、去年より美味しい味わいです。しかしここももう少し待ちたかったのが本音です。結果比重は1083、潜在アルコール度数は11,6度。半分は私のペティヤンでゆっくり熟成させ、半分はカリーヌの白ワインになります。発酵が落ち着いたら私のペティヤンは15 HL の木のタンクで発酵させ、カリーヌは500 L の樽で熟成する予定ですが、発酵状況で決めますね。

そして同じ9月23日15時からロゼのガメイの収穫です。本当は翌日にしたかったのですが、収穫者達との契約で彼らは24日にボジョレーを発ちます。なので強硬にロゼを収穫して、ロゼのプレスは翌日24日に行いました。ロゼは自社畑の標高の低い Cru のブルイィです。本当はボジョレー・ヴィラージュでも充分ですが、ジョヴェールさんのヴィラージュは人気者なので、Cruの畑になってしまいます。この畑を使わせていただくのが毎年心苦しく、もしかしたら来年のペティヤンは白だけにするかもしれません。この畑も同じく糖度がまだですが、雨の腐敗が始まったのと収穫者のスケジュールの関係で収穫です。今年はなんだか辛いです。その日はどうしても白のプレスだったので、不本意ですが翌日にプレス。比重は1081、潜在アルコール度数は11,3度。

こういう年だから、醸造経験が味わいを決めます。なので皆様にとっては醸造家の力量を図れる面白い年になるかもしれません。私は個人的に気持ちが緊張気味です。ここで13年もやっていると、どこか惰性になっていたかもしれません。帯を締めなおし、仕切り直しで醸造する所存です。9月27日 (新井順子)」

ヌーボーはクール便でのお届けとなります。(クール代ご負担ください。)

予定輸入元定価¥3,740(税抜¥3,400)

ボジョレー2

毎年大好評のヌーボーです。もちろん生産量は限られていますので、近年輸入元は店舗割り当てせざるを得ない状況です。

さらに今年はいろいろと厳しい状況の年で、ヌーボー自体完成するかどうか分かりませんが(笑えない)、とりあえずご予約承ります。

※白(シャルドネ)とロゼ(ガメイ)のペティヤンの販売は未定です。

【番外編!2021年ボジョレー・ヌーボー情報! その1】(8月3日配信)

ボジョレー1

すでに10月2日にデキュヴェ作業が終了しました。木桶の葡萄をプレス機に移し圧搾。この後2~3週間のマロラクティック発酵を経て瓶詰めされます。

収穫、そして醸造の様子はこちらからご覧いただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=1aM5g-mVbfQ

https://www.youtube.com/watch?v=xBI8q560K2I&t=12s

金額は税込価格(含消費税10%)です。クール代は送料とは別途ご請求になります。

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