クリストファー・ストライター氏来日!(センシーズ)

今ソノマで最も注目すべきのワイン生産者である「センシーズ Senses Wines」から、創業者メンバーの1人であるクリストファー・ストライター氏が来日しました。

(クリストファーさんは昨年2月の California Wines ALIVE Tasting 2023 に来日参加しておりました。この度正規輸入元が決まり、今回昨年に続いての来日となりました。ということで、輸入元の社員セミナーにこっそり参加させていただきました。)

センシーズ

ソノマの小さな町オクシデンタルで生まれ育った3人の幼馴染、クリストファー・ストライターマックス・ティエリオットマイルズ・ブリッグスが2011年に立ち上げたセンシーズ・ワインズです。幼稚園からの友人である3人はオクシデンタルの葡萄畑やレッドウッドの森で自然に触れながら遊び育ちました。やがてクリストファーとマイルズは大学へ、マックスは俳優の道へと進みました。大学時代にケンダル・ジャクソンで働いていたクリストファーはワインへの情熱が高まり、マックスとマイルズに、親の畑を受け継いでワインを造らないか、と持ちかけました。3人は貯金を持ち寄り、2011年に100ケースのワインを造り上げました。

クリストファー・ストライター Christopher Strieter は数理経済学や経済学の学位を取得し(物理学の理学士号も)、大学卒業後は金融のコンサルタントのキャリアを積もうと考えていましたが、ワインへの情熱は強く、大学時代から働いていたジャクソン・ファミリー・ワインズに入り、その後ウイリアムズ・セリエムでビジネスマネージャーを務めました。ジェス・ジャクソンの言葉に触発され、ワイン造りを目指しました。

マックス・ティエリオット Max Thieriot は家族が経営する B.A. Thieriot Estate で生まれ育ち、いつも畑で遊んでいました。オクシデンタルの町の南西に位置するティエリオット・ヴィンヤードはマックスの両親が1988年に購入した畑です。葡萄はランドマーク、ウイリアムズ・セリエム、そしてリトライなどに供給されました。世界クラスのワインが造れることを確信し、センシーズに参加しました。

マイルズ・ローレンス・ブリッグス Myles Lawrence Briggs も家族が所有する畑(ヒルクレスト)で遊び育ちました。ソノマ・コーストで最も古い畑の1つです。イギリス文学の学位を取得して大学を卒業しましたが、ワイン畑から離れることが出来ずソノマ・コーストに戻りました。レッド・カーやタンバー・ベイなどで経験を積みました。栽培からボトリングまでセンシーズの生産の全てを管理しています。

そんな彼らとタッグを組むのがトーマス・リヴァース・ブラウンです。ナパのカルト・カベルネを牽引する4大ワインメーカーの1人である、ご存じトーマス・リヴァース・ブラウンです。現在ナパ・ヴァレーで最も多くパーカー100点を持つワインメーカーです。ヘレン・ターリーの下で修行し、シュレイダー・セラーズに抜擢されました。シュレイダー・セラーズではシュレーダーのナパ・ヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨンの他に、アストンそしてボアズ・ヴューというソノマ・コーストのピノ・ノワールを造り出しました。また自身のブランドであるリヴァース・マリーではやはりソノマ・コースト特にオクシデンタルの畑からシャルドネやピノ・ノワールを造り出しています。オクシデンタルのテロワールに強い思いを持つトーマス・リヴァース・ブラウンはセンシーズの立ち上げを知り、ワイン造りを引き受けることを自ら提案しました。

センシーズ2

クリストファーさんから自己紹介があり、センシーズの立ち上げのお話をお聞きしました。ワインをテイスティングしながら、個々のワインのお話を伺いました。

テイスティングはこちらです。(価格は輸入元上代税抜価格です。)

センシーズ3

 Senses Chardonnay Russian River Valley 2019
★センシーズ シャルドネ ルシアン・リヴァー・ヴァレー2019 JD93 ¥14,000
 Senses Charles Heintz Vineyard Chardonnay Sonoma Coast 2021
★センシーズ チャールズ・ハインツ・ヴィンヤード シャルドネ ソノマ・コースト 2021 JD95 WA97 ¥19,000
 Senses El Diablo Vineyard Chardonnay Russian River Valley 2021

★センシーズ エル・ディアブロ・ヴィンヤード シャルドネ ルシアン・リヴァー・ヴァレー 2021 JD97 ¥19,000
 Senses B.A. Thieriot Vineyard Estate Chardonnay West Sonoma Coast 2021
★センシーズ B.A. ティエリオット・ヴィンヤード エステート シャルドネ ウエスト・ソノマ・コースト 2021 JD98 WA97 ¥28,000
 Senses Kanzler Vineyard Pinot Noir Russian River Valley 2021
★センシーズ カンツラー・ヴィンヤード ピノ・ノワール ルシアン・リヴァー・ヴァレー 2021 JD95 ¥19,000
 Senses MCM88 (Keefer Ranch) Pinot Noir Russian River Valley 2021

★センシーズ MCM88 (キーファー・ランチ) ピノ・ノワール ルシアン・リヴァー・ヴァレー 2021 JD95 ¥23,000
 Senses Day One (Hillcrest Vineyard) Pinot Noir Russian River Valley 2021

★センシーズ デイ・ワン (ヒルクレスト・ヴィンヤード) ピノ・ノワール ルシアン・リヴァー・ヴァレー 2021 JD96 WA97+ ¥28,000
 Senses Bodega Thieriot Vineyard Estate Pinot Noir West Sonoma Coast 2021
★センシーズ ボデガ・ティエリオット・ヴィンヤード エステート ピノ・ノワール ウエスト・ソノマ・コースト 2021 JD98 WA96 ¥28,000

ルシアン・リヴァー・ヴァレー・シャルドネはルシアン・リヴァー・ヴァレーからセレクトしたいくつかの畑のブレンドで、センシーズではシングル・ヴィンヤード・ワインには使わない畑のブレンドです。ですが、クオリティの高い畑をセレクトしています。2019年はルシアン・リヴァー・ヴァレーに多くの畑を所有そして栽培するダットン・ランチが所有するブッシュ・ヴィンヤードがメインです。マイルズの家のすぐ北東に位置します。クローンはオールド・ウェンテが主。樽発酵そしてフレンチオーク(10%新樽)で14ヶ月熟成。ルシアン・リヴァー・ヴァレーらしく、リッチでテクスチャーのある味わいですが、綺麗な酸を持つしなやかで優雅なスタイルに仕上がっています。生産量は400ケースほどです。チャールズ・ハインツ・ヴィンヤード・シャルドネはご存じソノマ・コーストにおける栽培のパイオニア的存在のチャールズ・ハインツが所有するチャールズ・ハインツ・ヴィンヤードから。one of the great GRAND CRU Chardonnay sites in California とロバート・パーカーがコメントしたように、カリフォルニア・シャルドネのグランクリュ畑として非常に高い評価を得ている畑です。マイルズの家のすぐ隣りに位置します。ふかふかの白く輝くゴールドリッジ土壌で、クローンは1982年に入植されたクローン4です。樽発酵そしてフレンチオーク(30%新樽)で14ヶ月熟成。ハニーサックルやトロピカルフルーツのアロマ。ハングタイムが長く収穫が遅いのでボトリティスのニュアンスを感じますが(実際貴腐化した葡萄が入ることもあるようです)、非常に涼しいエリアに位置するので、酸がきちんと存在し重い印象はありません。エル・ディアブロ・ヴィンヤード・シャルドネはルシアン・リヴァー・ヴァレーの東部、イーストサイド・ロードの一番端(北)に位置するエル・ディアブロ・ヴィンヤードから。ソノマ・コーストの畑を知り尽くす、故ユリシス・ヴァルデスが2008年に植樹した畑です。樽発酵そしてフレンチオーク(30%新樽)で14ヶ月熟成。涼しいルシアン・リヴァー・ヴァレーの中での比較的暖かいエリアにあるため、リッチでクリーミーでオイリーな印象です。ミネラル感も十分に感じるミディアム~フルボディのシャルドネです。ちなみに、オベール Aubert が作るイーストサイド・シャルドネ East Side と同じ畑です。B.A. ティエリオット・ヴィンヤード・エステート・シャルドネはオクシデンタル地区の西に位置するB.A. ティエリオット・ヴィンヤードから。マックスの両親が1988年に購入した畑です。ルシアン・リヴァー・ヴァレーの栽培パイオニアの1人であるダトン・ランチのウォーレン・ダトンが植樹しました。シャルドネのクローンはロバート・ヤング、ウェンテ、ハイドなどです(ちなみにピノ・ノワールは Pommard、114、667、777などが入植されています)。葡萄はランドマークやウイリアムズ・セリエムなどのトップ生産者に供給されています。ビオデナミの大家として知られるリトライやトーマス・リヴァース・ブラウンのプライベートブランドのリヴァース・マリーが造るティエリオット・ヴィンヤードのシャルドネも高い評価を得ています。樽発酵そしてフレンチオーク(35%新樽)で14ヶ月熟成。火打ち。ストーンフルーツ。スパイス。その後ローストしたアーモンドの風味が。インパクトのある果実味が前面に出るのではなく、したたかに体に染み込むような、素晴らしい凝縮感を感じます。センシーズの白のフラッグシップワインと言えます。

センシーズ6

カンツラー・ヴィンヤード・ピノ・ノワールはセバストポール・ヒルズに位置する、ルシアン・リヴァー・ヴァレーの銘醸畑の1つであるカンツラー・ヴィンヤードから。1996年に植樹。葡萄はコスタ・ブラウン、ダットン・ランチ、マルティネリ、フリーマンなどに供給されています。フレンチオーク(35%新樽)で10ヶ月熟成。涼しいルシアン・リヴァー・ヴァレーの中での比較的暖かいエリアにあるため、ややたっぷりとした果実味。プラムやブラックベリーのアロマ。そしてマッシュルームや土のニュアンスも。濃縮感ありますが、しなやかで重心が軽いのはセンシーズならではでしょうか。MCM88(キーファー・ランチ)ピノ・ノワールはルシアン・リヴァー・ヴァレーのサブAVA のグリーン・ヴァレー北部に位置する、やはりルシアン・リヴァー・ヴァレーの銘醸畑の1つであるキーファー・ランチから。訳ありで現在キーファー・ランチの名称は使用できないため、MCM88と名付けました。MCM88は、3人の頭文字であり、ローマ数字で1900を表す MCM に、3人の生まれ年である88を加えました。葡萄はコスタ・ブラウン、フェイラ、ローリング、フリーマンなどに供給されています。クローンはディジョン114、115、777、ポマール5、スワン、カレラなどが入植されていますが、センシーズが使うのはスイスクローン(スイス起源の単一クローン)です。フレンチオーク(35%新樽)で10ヶ月熟成。香ばしいベーキング・スパイス(ナツメグとかカルダモンなど)。そして特徴的なシガーの香り。華やかで凝縮感のある果実味。2021年は非常に凝縮した葡萄だったため、センシーズはあえて軽めの味わいに醸造したとのことです。デイ・ワン(ヒルクレスト・ヴィンヤード)ピノ・ノワールはセンシーズがスタートした場所として語り継がれるワインであるためこう名付けました。マイルズが両親から受け継いだ ヒルクレスト・ヴィンヤードから。2~3エーカーの小さな畑で、サスティナブル農法で栽培されています。畑の管理はソノマ・コーストを知り尽くすヴィンヤード・マネージャーと言われた故ウリセス・ヴァルデスの息子が経営するヴァルディス&サンズが担当しています。葡萄はリトライ、フラワーズ、ゲリー・ファレルなどに供給されています。クローンはカレラ、スワン、115,828、の4つのクローンです。フレンチオーク(30%新樽)で10ヶ月熟成。ラベンダーやバラの華やかなアロマ。非常にスムースなアタックで、ピュアで穏やかな果実味です。「とてもエレガントな香りがするこのワインは素晴らしいシャンボール・ミュジニーだと思わせるほどです」とリサ・ぺロティ・ブラウン(元WA誌編集長)がコメントし、ワイン・アドヴォケイト誌が97+点を付けました。ジェブ・ダナックも96点を付けています。ボデガ・ティエリオット・ヴィンヤード・エステート・ピノ・ノワールはオクシデンタルの町の南、フリーストーン・ベンチに位置するセンシーズの自社畑ボデガ・ティエリオット・ヴィンヤードから。マックスと妻レクシーが2013年に購入した約90エーカーの畑で、なだらかな丘陵地でオークとレッドウッドに囲まれ、境界線の柵を挟んでスティーブ・キスラーのオクシデンタル・ワイナリーが隣接します。やはりソノマ・コーストの銘醸畑であるプラット・ヴィンヤード(ヴィノスで100点を獲得した畑)もご近所です。2016年からマックスはトーマス・リヴァース・ブラウンと一緒にカレラ・クローンだけを入植しました。そしてトーマス・リヴァース・ブラウンは畑の 2/3 を2050年までリリース契約しました。フレンチオークで12ヶ月熟成。スミレやスイートチェリーのアロマ。濃縮したフルボディの果実味ですが、軽やかな質感で、バランスのとれた美しい味わいです。この2021年が初リリースとなりますが、ジェブ・ダナックが98点を付けました。センシーズの赤のフラッグシップと言えます。生産量は100ケースとか。

センシーズ1

セミナー終了後すぐ移動とか。ですから急いでご挨拶を。「初めまして。実は去年のイベントであなたを盗撮しました。これです。」と昨年の写真をお見せして。「私のシャツにサインお願いします。」「シャツ?おお!ジャイアンツ!」「全てカリフォルニアのワイナリーのオーナーやワインメーカーのサインです。ここにトーマス・リヴァース・ブラウンさんのサイン。ここにウエスト・ソノマ・コーストのペイのヴァネッサ・ウォンさんのサイン。ここにジャスミン・ハ―シュさんのサインも」「グレート!サインするよ。」

センシーズ4
センシーズ5

ということで、サインはセンシーズでワインメーカーを務めるトーマス・リヴァース・ブラウンさんのそばに書いていただこうと思ったのですが、もう本当にスペースが無くて、なんとジョン・ウイリアムス背番号00のゼロの中に(中央)。身長2m近い、お喋りが大好きな若者です(苦笑)。

#Senses Wines
#Sonoma Coast
#West Sonoma Coast

【遂に入荷です・・・少々お高いですが、あっという間に無くなるような気がします・・・】(2023年12月7日)

ブログ【 California Wines ALIVE Tasting 2023】(2023年2月28日)

 

 

 

 

コメントは受け付けていません。