平林園枝さんのワインメーカーズ・セミナーに参加しました・・・(シックス・クローヴズ)

カリフォルニアにまたまた日本人女性醸造家が誕生しました。平林園枝さんです。輸入元主催によるメーカーズ・セミナーに参加しました。

週末489

平林園枝さんは2017年にカリフォルニアで「SIX CLOVES シックス・クローヴズ」をたちあげました。

信州北アルプス山麓、長野県のリンゴ農家に生まれた平林園枝さん。親戚が味噌醤油や酒造りを行っていたこともあり、“発酵”が常に身近にある環境で育ちました。拘りの“ものづくり”の世界への入口はこの頃すでに出来上がっていたのです。成人しアメリカへ渡ります。ニューヨークでの商社勤務時代にワインショップでの週末ワインテイスティングを楽しむうちにワインの素晴らしさに魅せられ醸造家になることを決意した彼女はすぐさまカリフォルニアへ向かいました。UCデイヴィスで醸造学を修め2011年に卒業後、ニュージーランド(クスダ)、チリ(モンセカーノ)へ。そしてカリフォルニアへ戻ります。ソノマの「リトライ」、ナパの「マサイアソン」などのエレガントでフードフレンドリーなワインを手掛ける一流生産者の元で経験を積みました。

2017年これまでの集大成として初めて自身のワインをリリースしました。ワインのコンセプトは“繊細な味覚を持つ日本人に愛されるカリフォルニアワイン”。品種はその土地固有の風土を鏡のように映すと言われるシャルドネを選びました。ものづくり精神の承継の意味を込めて先祖の屋号であった “六丁字” にちなみ “Six Cloves” と名付けました。

平林園枝さんから生い立ちから現在に至るまでのお話がありました。現地カリフォルニアでの現在のワイン状況(カルトワインやプレミアムワインからニュー・カリフォルニアワインへの移り変わりなど)のお話もありました。そして昨年カリフォルニア州で合法化となったマリファナのお話も(笑?)。

 シックス・クロ―ヴズ1

テイスティングはこちらです・・・(価格は輸入元税抜上代価格です・・・)

Six Cloves Nakai Vineyard Chardonnay Russian River Valley
★シックス・クローブズ ナカイ・ヴィンヤード シャルドネ ルシアン・リヴァー・ヴァレー 2017 ¥5,800 輸入元終売
Six Cloves Linda Vista Vineyard Chardonnay Oak Knoll Napa Valley

★シックス・クローブズ リンダ・ヴィスタ・ヴィンヤード シャルドネ オーク・ノール ナパ・ヴァレー 2018 ¥5,800
Six Cloves Pinot Noir Sonoma Coast
★シックス・クローブズ ピノ・ノワール ソノマ・コースト 2018 ¥6,500

日本人女性醸造家平林園枝さんがカリフォルニアで造る「シックス・グローブズ」です。2017年のナカイ・シャルドネが初リリースのワインになります。。葡萄はあの中井章恵さんのナカイ・ヴィンヤードから。100%全房発酵。ステンレスタンクで発酵。フレンチオークとハンガリアンオーク(27%新樽)で熟成。25%マロラクティック発酵。シトラス、グリーンアップル、ドライハーブの上品なアロマ。リリース時はまるで青リンゴをかじったかのような清清しい味わいでした。そして驚くほどの綺麗な酸味を感じました。生産量は僅か56ケース。セカンド・リリースとなる2018年リンダ・ヴィスタ・シャルドネです。2度目のシャルドネです。葡萄はナパ・ヴァレー南部オーク・ノールのリンダ・ヴィスタ・ヴィンヤードから。1989年にナパの老舗ワイナリーのベリンジャーが植樹した畑です。あの「パリスの審判」で優勝したシャトー・モンテレーナのシャルドネに使われた畑としても有名です。園枝さんの師匠であり、現在ナパの一流畑を管理しているスティーブ・マサイアソンがオーガニック栽培を行っています。100%全房プレス。樽発酵。フレンチオークとハンガリアンオーク(25%新樽)にて10ヶ月熟成。100%マロラクティック発酵。清澄なし。濾過なし。ノマコルク(サトウキビを再生利用した人工コルク)使用。僅かにかすんだ黄金色。シトラスのアロマ。ドライハーブも。旨味のあるフレッシュなフルーツの果実味ですが、強く前面には出てきません。繊細で上品な果実味。しっかりとした酸味が全体を引き締まます。余韻にもフルーツとハーブの風味が長く残ります。フルーツの豊かさとエレガントさを持ち合わせたシャルドネです。生産量は僅か99ケース。そしてシックス・クロ―ヴズ初のピノ・ノワールです。2018年ソノマ・コースト・ピノ・ノワールです。葡萄はルシアン・リヴァー・ヴァレーの南に広がる、2017年に認定された新しいサブAVA のペタルマ・ギャップのいくつかの畑から。ペタルマ・ギャップは強い風が吹き抜ける冷涼地で、実は小さいですが、引き締まった凝縮した葡萄から旨味のある味わいのワインとなります。ニュージーランドの楠田さんの畑も風が強く、共通感を感じたとのことです。20%全房発酵。収穫の時に葡萄を運ぶ箱である、プラスチックビンで発酵。フレンチオーク(20%新樽)にて10ヶ月熟成。清澄なし。濾過なし。ノマコルク(サトウキビを再生利用した人工コルク)使用。クランベリー、ブラックチェリーの華やかなアロマ。鼻から抜けるフレーバーが心地良いです。アタックは優しいですが、したたかな旨味と凝縮感があります。タンニンも優しいですがしっかりと感じます。冷涼感の中に感じる味わいの豊かさ。力強さと繊細さを持ち合わせた、バランスの良い、まさに手作り感覚のピノ・ノワールです。生産量は130ケース。

次回2019年のワインは、シャルドネ、ジンファンデル、メルローとカベルネ・ソーヴィニョンのブレンドを予定しているとか。ピノ・ノワールはお高い葡萄なので、残念ですが次回はないようです。

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ファースト・リリースとなった2017年シャルドネのラベルは園枝さんのアメリカの友人がデザインしました。セカンド・リリースの2018年シャルドネとピノ・ノワールのラベルは、訳あって、そして奇跡の?の必然?の繋がりがあって、長崎在住のグラフィックデザイナー鐘江美沙紀さんのデザインが採用されました。6つの花びらを描いた、日本人らしさを表現した素敵なラベルです。

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醸造の世界には力仕事もありますから、小柄で細身の園枝さんはその点でいろいろと苦労がありました。もちろん精神的にも苦労はありましたが、生まれ育った頃から見ていた”ものづくり”への思いやワイン造りの夢が心の支えとなりました。ワイン造りには挫けない負けない精神力が必要だということを改めて思い知らされました。そんな園枝さんが造るワインはやはり日本人女性のような力強さと繊細さを併せ持つワインです。

今年3月に初めてお会いすることができ、その時にサイン頂戴しました(笑)。(画像では)襟の左上です。中井さん、私市さん、杉本ご夫妻の近くに。同じ「園」だから、杉本さんの奥様の近くがいいわね、ということで。園枝さんの師匠である、テッド・レモン氏やスティーブ・マサイアソン氏のそばでも良かったかな。そして再度ツーショット撮影です(笑)。

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【カリフォルニアからまたまた日本人女性醸造家が誕生しました・・・平林園枝さんが造る「シックス・クローヴズ」です・・・】(12月10日配信)

 

 

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