サシ・ムーアマン氏来日!(ドメーヌ・ド・ラ・コート)

サンタ・バーバラ・カウンティの「ドメーヌ・ド・ラ・コート」「サンディ」のワインメーカーで、ニュー・カリフォルニアを牽引するワインメーカーの1人であるサシ・ムーアマン氏が来日しました。本日輸入元主催のセミナーに参加してきました。

サシ・ムーアマンはカリフォルニア生まれの日系2世で(母親が日本人)、本名は武蔵です。彼のキャリアは料理人としてスタート。シェフとしてニューヨークやワシントンで活動していましたが、ワイン造りに興味を持ちカリフォルニアへ。5年間のインターシップとしてサンタ・バーバラの「オハイ」のアダム・トルマックの元でワイン造りを学びました。そして彼はラジャ・パーと出会います。ラジャ・パーはアメリカ各地で有名なマイケル・ミーナ・グループのワイン・ディレクターを務めた方です(そして IPOB In Pursuit of Balance の発起人でもありました)。ラジャ・パーはサシ・ムーアマンと共にサンタ・バーバラの注目の生産地サンタ・リタ・ヒルズでワインを造り出しました。2人が理想とするワインは、オールドワインを敬うワイン(しっかりと熟成するワイン)と、どこで造られたかを表すワイン(テロワールを表現するワイン)です。現在サシ・ムーアマンは自身のワイン・コンサルタント会社プロヴィナージュを運営。ワインメーカー兼共同オーナーとして「Domaine de la Coteドメーヌ・ド・ラ・コート」と「Evening Land イヴニング・ランド(オレゴン)」、ワインメーカーとして「Stolpman ストルプマン」、コンサルティング・ワインメーカーとして「Sandhi サンディ」と「Pence Ranch ペンス・ランチ」のワイン造りに携わっています。またシラーに特化した「Piedrasassi ピエドラサッシ」というブランドも所有します。(サシ・ムーアマンはシラーがお好きなようです・・・)

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サシ・ムーアマンからサンタ・リタ・ヒルズ、そして「サンディ」「ドメーヌ・ド・ラ・コート」についてお話がありました。2001年に認定された AVA サンタ・リタ・ヒルズ。海岸からは約10kmの、サンタ・バーバラ最西端に位置します。海からの冷たい強い風の影響を受け、非常に涼しい気候です。サンタ・リタ・ヒルズはその土壌から3つに区分されます。ロンポックからブエルトンに東西に走るハイウェイ246号線の北部地域は主に砂質の土壌(北部)。246号線とサンタ・イネズ・ヴァレー沿いに走るサンタ・ロサ・ロードに挟まれた地域は珪藻土と呼ばれる太古の海の堆積物が隆起した土壌。ドメーヌ・ド・ラ・コートの畑はこの地域にあります(中央部)。そしてサンタ・ロサ・ロードの南の地域は珪藻土や石英が固まったシリカの小石が大部分を占める土壌。サンタ・バーバラ最古(1971年植樹)のピノ・ノワール畑であるサンフォード&ベネディクトがこの地域にあります(南部)。

ラジャ・パーはサンタ・リタ・ヒルズの特徴を表す主にシャルドネに特化した「サンディ」を2009年に立ち上げました。シャルドネを主とします。ベントロック、リタズ・クラウン(以上中央部)、サンフォード&ベネディクト(南部)などの畑から、綺麗な凝縮感とミネラル感のあるワインを造り出します。「ドメーヌ・ド・ラ・コート」はサンタ・リタ・ヒルズの一番海に近い西の端、標高250mの丘の上に点在する6つの畑から造られるワインで、ピノ・ノワールに特化したブランドです。ここは2500万年前は海の底であった土壌が隆起堆積した土壌で、シレシャス(シレックス:結晶化したシリカ土壌で、石英や玄武岩を含む土壌)とダイアトメイシャス(ダイアトム:海底に堆積した植物性プランクトンの化石の土壌)から成ります。この白亜の土壌はまさにブルゴーニュを代表とする世界の限られた場所にしかない土壌です。6つの畑(使用するのは5つ?)、La Cote(2区画?)は、Siren’s Call、Bloom’s Field、Memorious です。サンディは契約畑の葡萄から造るのに対して、ドメーヌ・ド・ラ・コートは自社畑の葡萄から造ります。「サンディ」そして「ドメーヌ・ド・ラ・コート」を造り出すのはもちろんサシ・ムーアマンです。

「サンディ」「ドメーヌ・ド・ラ・コート」の詳しいお話はこちらからどうぞ・・・

【今やブームから主流に・・・IPOBの「サンディ」と「リオコ」のお2人が来日しました・・・】(2014年2月27日)

 サンディ1

テイスティングはこちらです。本日はオール・ブラインドです。この中からサシ・ムーアマンが造ったワインを探し出すというテイスティングをしました・・・(価格は輸入元税抜定価です・・・)

2013 Domaine Georges Mugneret-Gibourg Nuits-Saint-Georges 1er Cru Les Vignes Rondes
1.★2013 ジョルジュ・ミュニュレ ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ レ・ヴィニュ・ロンド
2013 Domaine de la Cote Bloom’s Field Pinot Noir Sta. Rita Hills
2.★2013 ドメーヌ・ド・ラ・コート ブルームス・フィールド ピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ ¥12,000
2013 Goldeneye (Duckhorn) Gowan Creek Vineyard Pinot Noir Anderson Valley
3.★2013 ゴールデンアイ ゴーワン・クリーク・ヴィンヤード ピノ・ノワール アンダーソン・ヴァレー
2014 Domaine Vincent Dauvissat Chablis 1er Cru Vaillons
4.★2014 ドメーヌ・ヴァンサン・ドゥヴィサ シャブリ プルミエ・クリュ ヴァイヨン
2014 Sandhi Chardonnay Sta. Rita Hills
5.★2014 サンディ シャルドネ サンタ・リタ・ヒルズ  ¥6,500
2014 JCB (Jean-Charles Boisset) Chardonnay Sonoma Coast
6.★2014 JCB シャルドネ ソノマ・コースト

ピノ・ノワールは全て2013年、シャルドネは全て2014年です。赤白共に価格がほぼ同じくらいのワインをセレクトしました。

ピノ・ノワールの色合いは順番に濃くなっています(1と2はほぼ同じ)。1はやや還元香あり。ハーブ?の風味。ドライで華やかな赤系の果実味と際立つ酸。2は赤い花の香り。フルーツを感じる赤い果実味。余韻に塩味の風味。全体のバランスが良い。3は熟した果実の香り。スイートな赤黒い果実味。骨格がありフルボディ。2がサシ・ムーアマンが造るドメーヌ・ド・ラ・コートブルームス・フィールド・ピノ・ノワールでした。自社畑の中でも一番涼しい場所にある畑。植樹された日がブルームス・デイ(2007年6月16日)であったことから命名。自社畑の中でも一番小さい房となります。クローンはマウント・エデン、スワン、カレラ。100%全房発酵。毎日のポンピング・オーバー(液循環)で、発酵最盛期はパンチ・ダウン(櫂入れ)も行う。新樽比率は20~30%で、約20ヶ月の熟成。ノンフィルター、人工的な清澄なしで瓶詰め。バラの花びらをちぎったような赤い花のアロマ。野生のストロベリーの甘酸っぱい味わい。アフターに塩味と海苔のようなミネラル感も。華やかさとしたたかさを持ち合わせたピノ・ノワールです。ALC12,5%。生産量771ケース。ガローニ93点、パーカー91点。

シャルドネの色合いは全てほぼ同じ。4はレモンやドライハーブの香り。イースト?も。リンゴ酸を感じる果実味。ミネラル感あり。5はシトラスや柑橘系果実の香り。フルーツを感じるが引き締まった果実味。アフターに塩味。美味でエレガントなスタイル。6は5と共通するところがあるが、5の果実味と比べるとトロピカルな風味がある。酸もしっかりあるが、ボリューム感もある。5がサシ・ムーアマンが造るサンディサンタ・リタ・ヒルズ・シャルドネでした。リタズ・クラウン、ヴェンズロウ(以上中央部)、ベントロック(南部)のブレンド。天然酵母で発酵。マロラクティック発酵を行い、葡萄の持つピュアさと土地の個性を活かすためにバトナージュ(澱との撹拌)は行わない。樽の影響を少なくしたいため熟成にはパンチョン(500リットル樽)を使用。しっかりとした凝縮感ある果実味ながらも、張り詰めた緊張感のあるミネラルと酸がはっきりと存在します。アフターに海風の塩味を感じます。ピュアでクリスタル(笑)なシャルドネです。

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サシさんとは一昨年の IPOB Japan Tour で初対面。その時にサイン頂戴しました。入室するとすでにサシさんがいましたのでセミナー前にご挨拶。「サシさん、ご無沙汰です。これ覚えてますか?」例のジャージを取り出すと。「おぉ!覚えてるよ。また会えて嬉しいよ。」日本来日にはもう10回ほどだそうです。今回はご家族も来日のようです。穏やかで優しい方ですが、ワイン造りは非常に理論的で情熱的なサシさんです。(本当にジャイアンツのファンかどうかまたまた確認するのを忘れましたが・・・笑)

 サシさんと・・・  CIMG2190
 サインは左下に・・・
MUSASHI ですね・・・
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【いよいよ彼らがやってきます・・・海外で初の開催です・・・】(2015年4月15日)

ブログ【 IPOB Japan Tour 2015 】(2015年4月16日)

 

 

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